今回はコーヒーの湯温について
これもコーヒー教室や店舗での抽出時によく聞かれるご質問です。
「何度で淹れるのが最適なのか?」これも様々な情報が行き交っているようですね。
- Aさん:82℃がいいって聞いたんですけど本当ですか?
- Bさん:90℃がいいって本に書いてました。
- Cさん:〇〇のお店では93℃で淹れてるって言ってました。
いったい誰の意見が正しいのでしょうか?ぜひみなさんで考えてみてください。
Aさんの言ってることは本当でしょうか?確かに82℃という温度は聞いたことがあるなぁ
Bさんの90℃は本に書いてあるんだから間違いないはず。
Cさんの93℃はプロが言うんだから絶対でしょ
なんだかどれもただしい気がしますよね、困りました...
ではそれぞれの言葉の文脈を確認してみましょう
- Aさん:82℃がいいって聞いた。
その理由は「低温で抽出しエグミを出さないため」
- Bさん:90℃がいいって本に書いてました。
その理由は「バランスを取るため」
- Cさん:〇〇のお店では93℃で淹れてるって聞いた。
その理由は「素材のポテンシャルを引き出すため」
なるほど、どれも一理ありますね。だからどれも正しいでいいのではないでしょうか?
この流れ、確か前回のFAQでも同じだった気がしますよね?どれが正しいねん論です。
FAQ vo.5 コーヒーの保存方法
前回の答えを要約すると「ライフスタイルで変わる」でした。
では今回も同じように温度帯の変化によるメリット、デメリットを考えてみたいと思います。
A. 低温のメリット/デメリット
メリット:エグミ、雑味、などネガティブな要素が出にくい
デメリット:素材のキャラクターが引き出しにくい
B. 中温のメリット/デメリット
メリット:味わいのバランスが取りやすい
デメリット:中途半端
C. 高温のメリット/デメリット
メリット:コーヒーの成分が引き出しやすい
デメリット:エグミ、雑味、などネガティブな要素が出やすい
やはりそれぞれにメリット、デメリットがありますね。
ではどうするのか?について、これも前回同様に私なりの考え方をお伝えしたいと思います。
まずそもそも論から考えてみます。
なぜ抽出温度は100℃ではいけないのか?
温かいドリンクを提供する前提だとすると、抽出する湯温も高い方がいいはずです。実際に当店では100℃のお湯で抽出する場合もございます
ただ一般的には湯温が高いと高温のデメリットである、エグミ、雑味に繋がりやすいわけです。
整理してみると
低温
低温→成分が出にくい→抽出効率が悪い→何かで成分が出るよう補う必要がある。
例えば
- たくさん豆を使う
- 抽出時間を長くする
- 焙煎を深くする
高温
高温→成分出やすい→抽出効率が良すぎる→何かで成分が出ないように要素を引く必要がある。
例えば
- 豆の量を減らす
- 抽出時間を短くする
- 焙煎を浅くする
このように温度という一つの要素が変わると、必ず他の要素にも影響されて、変化する、いやプロは意図的に変化させているわけです。全てはバランスが大事ということですね
味のバランスについてはこちらのブログに書いています。バリスタ向けの少し専門的な内容ですが興味のある方はご覧ください
いかがでしょうか、今回は湯温についてフォーカスしてみました。
何か一つの「点」だけを捉えて「正しい」「正しくない」を論じるのは本質的な解決には繋がらないということだと思います。
ぜひ皆様もこれをきっかけに「点」の言葉の背景や前後の文脈に意識して、プロのコーヒーマンやバリスタに質問してみてくださいね。
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